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県北地域におけるアズキ栽培の取り組み

農業いばらき
写真はイメージです。記事とは関係ありません。
 県北地域では、中山間地域という立地を活かし、様々な特徴的な品目が栽培されています。「常陸大黒」に代表される豆類もその一つですが、今回はそんな豆類の中でもアズキについて取り上げます。
 
 県北地域のアズキ栽培
 アズキは、北海道では土地利用型作物として機械による大規模な生産が行われています。一方で、開花がだらだらと続くため、株の中で成熟がばらつきやすい特徴があります。そのため、県北地域では、品質のそろったアズキの生産
を目指し、アズキの特徴に合わせて、昔ながらの熟莢の手摘みや、一つ一つ株ごと抜き取る収穫が行われています。
 丁寧な生産をしていることから、室町時代後期から続く有名な老舗和菓子店(株)虎屋の羊羹の原料になる「白小豆」や、在来小豆として地元生産者と地場企業の亀印製菓(株)等が商品化に取り組んでいる「娘来た」の栽培事例が特に高い評価を受けています。

栽培管理
●圃場の選定、土づくり排水良好な圃場を選びます。圃場周囲に排水溝を設置するのが望ましく、耕起・砕土は土塊の大きさ3p以内を目安とします。
 土づくりには堆肥投入はもちろん、アズキは酸性を嫌うため、作前に10a当たり苦土石灰60〜100sの施用、もしくは土壌pH6.0への酸度矯正を行いましょう。
●窒素成分を施肥
 基肥は、蔓ぼけしないように、窒素成分で10a当たり3s程度を上限として、有機物や前作の有無、地力に合わせて調整します。
 特に「娘来た」は茎が伸びやすいため、無施肥での栽培もあります。
●畝間、株間は広めに播種県北地域では秋の深まりが早く訪れるため、播種期も7月1日〜10日頃とやや早めている事例が多いです。
 中耕・培土ができるように、畝間55〜60p 、株間20p(「娘来た」は地上部が大きくなりやすいため30pぐらいまで広めることもある)、1〜2粒播きにすると、播種量は10a当たり1.3〜2s程度となります。
●中耕・培土は二回
 雑草防除と倒伏防止を目的に2回実施します。1回目は本葉2〜3葉期に初生葉(最初の葉っぱ)の高さまで、2回目は本葉5〜6葉期に本葉一葉目の高さまで土を寄せます。
 ただし、遅すぎると根を切るので、開花10〜15日前(9月に入る頃)までには終えるようにしましょう。
●手摘みは10〜11月に収穫
 アズキは開花から成熟までに35〜45日程度(「白小豆」は50日程度)かかるため、遅く開花したものは稔実莢になりません。
 熟莢の手摘みでは、10月中旬〜11月上旬にかけて、褐変した莢を複数回に分けて摘み取ります。
 株ごと収穫する場合は、全莢の80%が褐変したら刈り取りもしくは抜き取りしましょう。
●十分に乾燥させて脱穀を
 乾燥は莢付きのまま行います。
 架干しかビニルハウス内など雨の当たらない場所で、莢を振るとカラカラ音がするまで十分乾燥させてから脱粒を行いましょう。
●選別で異物や屑粒を除く
 最も労力のかかる部分です。唐箕や篩、機械選別等の手法がありますが、異物(莢・枝・ゴミ・石)や屑粒を除くことが目標です。
●10℃以下の冷暗所で保管
 貯蔵害虫であるアズキゾウムシの発生を予防するため、10℃以下の冷暗所での保管が望まれます。

「白小豆」や「娘来た」、特徴のある品目を丁寧に作る
 作物の特徴に人が合わせるという昔ながらの作業体系で、アズキ栽培に取り組む県北地域の生産者。寒い冬にコタツに入りながら、一粒一粒手で撰り分けるという姿もなくなってはいません。
 丁寧に作った先にある、「虎屋の羊羹」として喜ばれることへの自負や、在来小豆を残していきたいという想いを形にするため取り組んでいます。