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食品業界ニュース

ペットフード利用で町の課題解決

全国農業新聞
写真はイメージです。記事とは関係ありません。
 兵庫県多可町のcambio(カンビオ)では、シカ肉を原料に使ったペットフードの製造・販売を通じて、町の耕作放棄地や遊休施設の有効活用、シカの処分経費の削減など、さまざまな地域課題の解決に貢献している。
 同法人は障害者の就労支援を主な事業としている。しかし、中山間地に位置する同町では、障害者就労の機会は限られていた。そこで同社が考えたのが、町で捕獲されたシカを活用した事業だった。
 同町には食肉向けの処理加工施設があるが、食肉利用されないシカの処理は町が行い、費用が負担になっていた。そこで同社は、こうしたシカをペットフードに加工する事業を町に提案。賛同を得て、国の地域経済循環創造事業交付金を活用して2014年度から事業を開始した。
 それまで遊休施設だった旧給食センターをペットフード製造工場に改修し、同じ敷地内にシカの処理加工施設も整備した。同施設の冷蔵庫には、捕獲者自らが個体を搬入する。
 それを管理者が監視カメラで確認できるシステムを導入し、24時間の搬入を可能にした。狩猟者の利便性を向上させることで、搬入頭数は次第に拡大。
 18年度には513頭のシカが搬入された。町の有害捕獲頭数の8割以上にあたる。
 また、年間600万円かかっていたシカの処理費用も5分の1に減少した。
 現在、障害者7名がペットフードの製造に携わるほか、同社の従業員や解体作業員の雇用も生まれている。
 同社の後藤高広理事長は、「当社の理念である社会参加、地域への貢献を果たすことができて、非常にやりがいを感じている」と語る。