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住民全員が獣害対策に協力

全国農業新聞
写真はイメージです。記事とは関係ありません。
 福島県南会津町・中荒井集落では、農家・非農家に関わらず住民全員が獣害対策に協力する。対策の成果で2018年度の農作物被害額は14年度から4割減少。農業者の営農意欲が向上し、耕作放棄地4・3fの解消につながった。
 ニホンジカやイノシシの被害で離農者が増える中、同集落は15年に有害鳥獣被害対策委員会を設立した。非農家を含む50〜70代の約40人のメンバーが地域の活動を率いる。
 同年から多面的機能支払交付金や町の補助を活用し、住民全員で電気柵3・7`を設置した。設置後は集落内の5地区に各2人の管理責任者が随時パトロールをし、草刈りや通電の確認をする。毎年、雪を避ける秋の電線回収や春の再設置は、住民全員で作業する。
 同集落の元区長の渡部雅俊さんは、「農地は集落全体の大切な財産と説明し、住民全員の協力を得た」と話す。同委員会は毎年、住民が主体のワークショップ形式で鳥獣害対策の研修会を開催。集落の地図を広げて被害の場所を確認し、対策の方針を話し合って機運を高めている。
 電気柵の山際には、16年から県の事業などで緩衝帯9・3fを整備した。地元・福島大学の学生や地域のNPO法人も森林の整備に協力。整備後の緩衝帯は住民で定期的に管理している。
 同集落の農作物被害額は14年度の50万円から18年度には30万円に減少。獣害の減少は遊休農地の解消につながり、農業法人が耕作放棄地4・3fを耕起して同県オリジナル品種のソバ「会津のかおり」を生産する他、2人の農業者が経営規模を拡大した。再生した農地の一部にはザル菊を植え、地域の景観づくりにも力を入れる。
 渡部さんは「対策の成果で地域の農業が活気を取り戻しつつある。農業者を含め、住民全員が『この集落に生まれてよかった』と思える地域にできれば」と話す。