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安全装備の活用を

農業共済新聞
写真はイメージです。記事とは関係ありません。
 5月末まで行われる、春の農作業安全確認運動は「見直そう!農業機械作業の安全対策」がテーマだ。農林水産省によると、農作業中の死亡事故発生数は一般交通事故の約6倍にのぼり、近年は死亡者数が300人以上で推移している。中でもトラクターが死亡事故原因の4割を占めている。国は2022年に農業機械作業にかかる死亡事故を17年比で半減させることを目標に据えている。春作業が本格化することに合わせて、改めて事故の傾向や対策を確認しよう。

◎道路走行時に死亡事故が多発
 乗用型トラクターの事故は、@走行中の転倒や転落A作業機の着脱・修理時B乗降中の転落──などが挙げられる。特に走行中の転倒や転落は、農作業にかかる死亡事故の最大の発生要因となっている。事故が起こりやすいのは、直角や鋭角のカーブ、坂道のほか路肩が不鮮明な道路など。スピードを抑えて、道路の端に寄りすぎないよう気を付ける。
 公道走行での事故は、単独事故と他の車両からの追突事故と、大きく二つに分けられる。農業機械は通常の車に比べて重心位置が高いため、傾斜地など不安定な場所や走行時にバランスを崩しやすい。より慎重な運転が必要だ。
 追突事故は夜間のほか、昼間のトンネル内でも事例が報告されている。後続車から見えやすい位置に低速車マークや反射板を装着し、走行前には汚れや積載物で隠れていないかを確認しよう。
◎安全キャブ・フレームを装着/シートベルト着用の徹底も
 安全キャブ・フレームは、安全域(運転者の保護のためにつくられた空間)を確保するために欠かせない。安全キャブ・フレームがないトラクターで事故を起こした場合、9割以上の割合で死亡事故になったという調査結果もある。転倒・転落時に投げ出されないようにするため、シートベルトの着用も必要だ。安全キャブ・フレームがあるトラクターでも、死亡事故の6割以上がシートベルトを装着していなかったとされる(推定含む)。
 また、運転時はヘルメットを着用し、安全への効果を高めたい。なお、折りたたみ式の安全フレームは垂直に立ち上げて確実に固定しなければ、万が一の際に効果が発揮されないので注意が必要だ。
◎作業環境確認し危険性に配慮
 圃場から出入りする際の傾斜で転倒したり、圃場の端から法面〈のりめん〉に転落する事例が数多く報告されている。圃場への進入路は路肩などを整備し、作業機を下げて傾斜に対して直角の向きにすると安全に入退出できる。
 近年はトラクターなど農機具は大型化が進んでいるので、進入路の傾斜を緩くし、幅を広く取り、軟弱な箇所は補強するといったことも実行したい。危険が潜む場所はこまめに草刈りをして、見通しを良くしておこう。
◎ブレーキペダルの連結を確認
 転落・転倒事故の多くはハンドルやブレーキの操作ミスを伴っていると考えられている。作業が終わったら、左右ブレーキペダルを連結し、圃場から出る前に確認する。
 作業安全対策の強化が急がれる背景には、就業者数の減少・高齢化や人手不足などがある。農作業死亡事故件数は2008〜17年の10年間で減少傾向にあるが、毎年300人以上が亡くなっている。うち65歳以上が8割以上を占め、増加傾向にある。
◎作業死亡事故
毎年300人以上
 最新の調査(17年)では、農作業死亡事故の7割が農業機械作業に関連しており、乗用型トラクターが全体の3割を、歩行型トラクターが1割を占める。また、乗用型トラクター事故による死亡要因は、機械の転落・転倒(圃場内、道路)が6割だ。