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農水省 「飼料」反映しない目標も

全国農業新聞
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 農水省は13日、来年度からの新たな食料・農業・農村基本計画の考え方を明らかにした。食料自給率目標について、算出方法を見直す方針を打ち出した。従来の指標に加え、飼料自給率を反映しない目標も新たに設定する考え。食料・農業・農村政策審議会企画部会の会合などで示した。

 従来の食料自給率ではカロリーベース・生産額ベースともに、輸入依存度が高い飼料の自給率を考慮した目標値を設定してきた。同省は「国内生産を厳密に捉える点では有効だが、畜産農家の生産努力が適切に反映されず、消費者の実感とも合わない」と説明。飼料自給率を反映しない「産出段階」の目標も併せて提示するとした。2018年度のカロリーベースの食料自給率は37%だが、飼料自給率を反映しない場合は46%に上昇する。
 出席委員からは、従来の食料自給率の指標に加えて新手法の指標が増えることから、国民の誤解を招かないような分かりやすい情報発信の重要性を指摘する声が相次いだ。
 全国農業会議所専務理事の柚木茂夫委員は「全体の食料自給率を押し上げる点で飼料自給率は重要。畜産政策の中でも飼料用米の扱いを明確に位置づけるべき」と提起した。
 同日開かれた自民党の農業基本政策検討委員会の会合でも見直しの案を提示。出席した議員からは「食料自給率として適切か疑問が残る」などの慎重な声や「国産飼料を増やす努力が無駄にならないよう配慮すべき」などの声が出た。
 同省はこの他、次期基本計画に盛り込む品目ごとの対応方向なども明らかにした。水田作では需要に応じた生産や販売を継続しつつ、麦や大豆、加工・業務用野菜などへの転換を加速化。畜産では肉用牛・酪農の増産を進め、持続的な生産基盤を創造するとした。
 政策を進める上での農業団体の役割も提示。農業委員会については人・農地プランの実質化や荒廃農地対策、円滑な経営継承などで関係機関の中心的役割を果たすよう位置付けた。
 主な営農類型や地域別にモデルとなる農業経営の指標を例示する「経営展望」も見直す。スマート農業を活用して規模拡大するなどの意欲的なモデル以外にも、家族経営が中心の現状を踏まえた標準的なモデルや複合経営モデルなど計37の案を挙げた。自民党内では「中小規模や家族経営はモデルの提示にとどまらず、具体的な支援策が分かるようにまとめるべき」との要望が出た。
 同省では今後、骨子案をまとめ、企画部会や与党内での議論を経て3月中に次期基本計画を取りまとめる。