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NOSAI新潟県

農業共済新聞
写真はイメージです。記事とは関係ありません。
 全国指折りの米どころである新潟県は、自然災害が比較的少なく推移してきたが、昨年は猛暑の影響で米の品質が課題となった。過去に例のない災害が増加傾向となる中で、永続性のある営農のために農業保険に加入し、万が一の被害に備えることの大切さを近隣農家に伝え続けているNOSAI部長2人に話を聞いた。

◎経験をもとに加入呼び掛け
 水稲と柿の栽培が盛んな新潟市西蒲区竹野町地区でNOSAI部長を務める小林与作さんは、就任2年目で、約120戸を担当し加入推進には特に力を入れている。水稲「コシヒカリ」1.3fと柿「刀根早生」や「朱鷺〈とき〉乙女」などを50eで栽培し、水稲、建物、農機具、果樹の各共済に継続加入している。
 小林さんは生命保険の営業に長年携わってきた経験があり、万が一に備えることの大切さを人一倍強く認識している。「担い手が減少する中で大規模災害により再建できない農家が4人、5人と出てくると、地域農業への影響が大きい」と心配を口にする。竹野町地区はこれまで自然災害が比較的少なかったが、柿に加害するカイガラムシの発生が多くなるなど、温暖化の影響が目立ち始めている。「柿が農業収入の支えになるので、看過できない状況だ」
 地域では最近、柿の管理に欠かせない電動の剪定〈せんてい〉ばさみが盗難に遭いやすいという。軽トラックの荷台に載せてあったものが、収納ケースごと盗まれる。草刈機やチェーンソーなども同様だ。そうした事例をもとに、農機具共済への加入を勧めている。機械そのものは20万〜30万円とトラクターやコンバインに比べると安価だが、全額を自費でまかなうには負担感が強く、小林さんの呼び掛けに応じて加入者が増えている。
 「どんなに備えを固めても、自然災害はわれわれの予想を超えてくる」と小林さん。「米も柿も、これまでどおりの質と量を確保するのが難しくなるはず。備えの大切さは、今後ますます重要になる」と話す。
◎猛暑で品質低下水稲共済は必須
 「ここは自然災害の少ない、農業をしやすい地域だよ。昨年から専業農家になって、草刈りや肥料散布も楽しい」と話す、村上市鋳物師の鍋倉光雄さんは、NOSAI部長として12戸を担当。建物・農機具共済の被害などの取りまとめや文書類の配布、寄り合いの際の連絡役などをこなし、下越管内NOSAI部長協議会会長も務めている。今年は、3fで主食用米のコシヒカリと「こしいぶき」、酒米「五百万石」を栽培する。作付け2年目のネギは1eから3eに規模を拡大するという。
 新潟県の2019年産米は、作況こそ100の“平年並み”だったものの、猛暑の影響で1等米比率が芳しくなく、県全体で30%台と、平年比の約半分となっている。鍋倉さんは今後も、こうした事態が起こりうると考えている。一筆方式が新潟県では21年産までとなるため、加入をやめる無保険者が現れることも危惧している。
 鍋倉さんは昨年、農作物共済から収入保険に切り替え、建物共済と農機具共済には継続加入している。雷で家電に被害を受けた経験があり、また、担当区域内では農機具置き場が全焼したこともあるという。そうした経験を踏まえて、農業保険の加入推進にも力を入れている。
 被害が発生した際には、組合員からの連絡は鍋倉さんに届く。迅速に地域担当のNOSAI職員に取り次ぎ、早期の情報集約と損害評価につながっている。「経済活動をしている以上、危険に備えるのは当然のこと。農業保険への加入は、決して無駄にはならない」と話す。

 NOSAI新潟県の北川正浩参事は「引受けは基本的にNOSAI部長の協力をもって継続加入につながっている。災害時には被害申告の窓口となるなど、8万数千人いる組合員とわれわれNOSAI組織を結ぶ、非常に重要な存在。地域に密着し、NOSAI職員の手が届かないところを手厚くケアしていただき、心から感謝している」と話す。
 ▽NOSAI新潟県の概要=本所を新潟市に置き、15市4町2村を管内とする。加入状況(2018年度)は水稲8万5683f、家畜11万9501頭(牛4万2623頭など)、畑作物2771f、園芸施設1万4844棟、建物13万922棟、農機具15万366台。※家畜、園芸施設、建物、農機具は責任保有含む