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菓子食品新聞「2021新年特大号」巻頭言より

菓子食品新聞
写真はイメージです。記事とは関係ありません。
 新時代の実質的スタートの令和2年は、新型コロナウイルスの脅威に始まり終始した年であった。その終息が杳として見えず、日々、発表される感染者数の右肩上がりに、1964年以来のオリンピックを東京で、との掛け声もどこか薄ら寒い。全国で広がるコロナウイルス感染者数の急増で、正月の帰省自粛にも及び、なんとも遣る瀬無い沈潜が世に横溢した。
 見えないウイルスの脅威はさまざまな分野を浸食し、日本経済の先行きはまったくお寒いというほかはない。景気は気≠ニいわれる。日本を覆う沈潜をよそに、お菓子業界では「巣ごもり消費」で、スナックや米菓の定番製品がよく売れた。災害など非常時に心と身体を解きほぐしてくれるのがお菓子だ。この特性にはもっと光が当たって良いはずだ。恒例の帰省に大きくブレーキがかけられたこの暮れから正月の団らんを、どれほどかお菓子が癒したことだろうか。
 昨秋のスタートは鈍かった。夏休みの帰省自粛で、いわゆるお盆需要や帰省の手土産需要が激減し、9月以降の売りに影響したともいわれている。それでも新製品は数多く登場した。分けても巣ごもり期に好調だった米菓やスナック界では、カテゴリーを越えた製品が発売されて注目された。カルビーの北海道産大豆を使った豆乳による冷菓『畑のアイス』や、亀田製菓の大豆たんぱくを使ったおつまみ『おゆるしジャーキー』、三幸製菓のアーモンドチョコレート『スパイスの誘惑』など、カテゴリーを越えた製品にメーカーの「力」を強く感じる。
 近年続いている製品寿命の短さと、その結果生じた「味変え製品」の多発や息詰まりに風穴があけばよい。「メーカーは開発してなんぼでしょ?」という声が聞こえる。犬が人を噛んでもニュースにはならないが、その逆の伝で、カテゴリーを越える挑戦はまさに刮目して見よである。 (五十嵐嘉明)